2015年2月10日(火)
平成27年度介護報酬改定(概要)
1.平成27 年度介護報酬改定に係る基本的な考え方
平成27年度の介護報酬改定は、2025 年(平成37 年)に向けて、医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保される「地域包括ケアシステム」の構築を実現していくため、平成26年度制度改正の趣旨を踏まえ、中重度の要介護者や認知症高齢者への対応の更なる強化、介護人材確保対策の推進、サービス評価の適正化と効率的なサービス提供体制の構築といった基本的な考え方に基づき行うものである。
これらとともに、賃金・物価の状況、介護事業者の経営状況等を踏まえた介護報酬の改定率は、全体で▲2.27%である。
[介護報酬改定率▲2.27%]
(うち、在宅分▲1.42%、施設分▲0.85%)
(注1)▲2.27%のうち、在宅分、施設分の内訳を、試算したもの。
(注2)地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護は、在宅分に含んでいる。
(施設分は、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設)
2.平成27 年度介護報酬改定の基本的な考え方とその対応
平成27年度の介護報酬改定については、以下の基本的な視点に基づき、各サービスの報酬・基準についての見直しを行う。
(1)中重度の要介護者や認知症高齢者への対応の更なる強化
① 地域包括ケアシステムの構築に向けた対応
・ 将来、中重度の要介護者や認知症高齢者となったとしても、「住み慣れた地域で自分らしい生活を続けられるようにする」という地域包括ケアシステムの基本的な考え方を実現するため、引き続き、在宅生活を支援するためのサービスの充実を図る。
・特に、中重度の要介護状態となっても無理なく在宅生活を継続できるよう、24時間365 日の在宅生活を支援する定期巡回・随時対応型訪問介護看護を始めとした「短時間・一日複数回訪問」や「通い・訪問・泊まり」といった一体的なサービスを組み合わせて提供する包括報酬サービスの機能強化等を図る。
② 活動と参加に焦点を当てたリハビリテーションの推進
・ リハビリテーションの理念を踏まえた「心身機能」、「活動」、「参加」の要素にバランスよく働きかける効果的なリハビリテーションの提供を推進するため、そのような理念を明確化するとともに、「活動」と「参加」に焦点を当てた新たな報酬体系の導入や、このような質の高いリハビリテーションの着実な提供を促すためのリハビリテーションマネジメントの充実等を図る。
③ 看取り期における対応の充実
・ 地域包括ケアシステムの構築に向けて、看取り期の対応を充実・強化するためには、本人・家族とサービス提供者との十分な意思疎通を促進することにより、本人・家族の意向に基づくその人らしさを尊重したケアの実現を推進することが重要であることから、施設等におけるこのような取組を重点的に評価する。
④ 口腔・栄養管理に係る取組の充実
・ 施設等入所者が認知機能や摂食・嚥下機能の低下等により食事の経口摂取が困難となっても、自分の口から食べる楽しみを得られるよう、多職種による支援の充実を図る。
(2)介護人材確保対策の推進
・ 地域包括ケアシステム構築の更なる推進に向け、今後も増大する介護ニーズへの対応や質の高い介護サービスを確保する観点から、介護職員の安定的な確保を図るとともに、更なる資質向上への取組を推進する。
(3)サービス評価の適正化と効率的なサービス提供体制の構築
・ 地域包括ケアシステムの構築とともに介護保険制度の持続可能性を高めるため、各サービス提供の実態を踏まえた必要な適正化を図るとともに、サービスの効果的・効率的な提供を推進する。